少し前に着物警察について書きました.
このブログにおけるカテゴリの一つであるアセクシュアルについても,アセク警察とでも呼ぶべき存在がいます. 最近でいうと,この記事にアセク警察がわらわらと現れました.
アセク警察のよく見かけるいちゃもんとして,アセクシュアルという性的指向とアロマンティックという恋愛的指向を混同するなというのがあります. *1 この記事ではこの指摘について述べていきます.
まず,中山咲月氏はアセクシュアル自認ではなく無性愛自認なので,アセクシュアルとかアロマンティックとか挙げている輩はそもそも的外れですね. 私はアセクシュアルをセクシュアリティ全体にまたがる大きな枠組みととらえていて*2,無性愛を含んでいると解釈しています. 私にとって無性愛という視点は正直盲点でしたが,次のtweetからの指摘によります.
記事を読めばわかりますが、中山咲月さんの性的指向アイデンティティは
— へんぷく (@uud_5w6) 2021年8月17日
「無性愛者」
です。
「アセクシャル」だの、ましてや「AセクAロマ」だの、外野が勝手に言い換えないように。 https://t.co/ssx7fJsOT6
中山咲月氏の最近出版された書籍のタイトルも「無性愛」ですし,次のブログ記事からも無性愛に対するこだわりはかなり強いのでしょう.
次に,性的指向と恋愛的指向との分離がそもそも正しいのかという点です. 性的指向と恋愛的指向との分離はSAM(Split Attraction Model)と言われるモデルです. そもそもモデル化というのは現象を理解するためのツールであり,当てはまる場合もあれば当てはまらない場合もあります. 当然ながらSAMに当てはまらないアセクシュアルやアロマンティックもいます. この意味において私はNon-SAM Aceですが,前に何か付けなくても私がAceであることは誰にも否定される筋合いはありません.
というかですね,現象において一モデルを当てはめるのが常に正しいと考えているなんて,狂信者の類ですよ. ましてセクシュアリティなんて訳の分からないものを扱っているのだから,アセク警察は着物警察と同様に直接会ったらすぐに逃げる,Twitterで見かけたらすぐにブロックすべき輩です.
最後に,アセク警察の行為は周辺にいるアセクシュアルやアロマンティックを追い出すことにつながることです. こういうtweetがありました.
アロマアセクについてはまぁあれで(察して)(多分そのうちわかる)、どちらかというとノンセクやアロマセクやAロマ、Aセク、無性愛などの表記で自認している人や、いわゆる広義のアセクシュアル自認の人が居づらくなってしまいそうですごい心配。
— ふなはる🌻 (@haruka_now) 2021年9月18日
私の立場から言わせてもらえると,既に居づらいです. 今の私のTwitterアカウントですが,アセクシュアルで一人,アロマンティックで一人だけ相互フォローしています. アセク警察などブロックしているアカウントは結構あるのですがね. くたばれ,アセク警察!!